
KBN株式会社様
▶︎番の州球場(香川県)
AIカメラが地元ケーブルテレビ局の
新しい味方に
カテゴリ:メディア事業 導入時期:2024年3月〜 導入サービス:STADIUM TUBE DoublePlayモデル×1台(for Teamプラン) 目的:映像配信、地域活性化 導入者様HP:https://www.kbn.ne.jp/ |
課題
・地元ケーブルテレビ局として地域のスポーツ大会の撮影を依頼されることが多いが、試合環境や機材・人材の確保等の問題で撮影できない大会が多く存在した。
活用方法
・エリアである坂出市の協力を得て、野球スタジアム『番の州球場』にAIカメラを導入し、地域の野球大会を自動で映像コンテンツ化している。
・撮影した映像はテレビ放送や、アプリ配信(セレクトプラス)に活用している。
効果
・今まで撮影できなかった大会、試合を映像化できるようになった。
・新たな映像制作の手法として取り入れることで、視聴者の心に残るコンテンツの制作とコンテンツ数拡大の両方を目指せる仕組みができた。
KBN株式会社は香川県坂出市、綾歌郡宇多津町、善通寺市(通信事業のみ)でサービスを提供するケーブルテレビ局です。2024年3月にSTADIUM TUBE DoublePlayモデル for Teamプランを導入いただき、坂出市内にある番の州球場にAIカメラを設置いただいています。
今回は導入から運用を担当されている北村様に、地域のケーブルテレビ局ならではのコンテンツ制作における独自性や、その中でのSTADIUM TUBEの活用方法について伺いました。
お話を伺った方:
KBN株式会社 北村祐樹様
地域密着のケーブルテレビ局ならではのコンテンツ制作と課題
KBNでは地域密着のケーブルテレビ局として、これまでもスポーツ少年団の野球大会、中学校総体、坂出市三校野球部OBによる三校リーグ大会のような様々な地元スポーツの撮影・放送に携わってこられました。その中で、課題と感じることもあったそうです。
「コミュニティチャンネルでは多くの地元スポーツを放送しており、AIカメラの導入以前から地域の皆様からも決勝戦だけでなく、1回戦含む全試合の様子を撮影してほしいという依頼を度々いただいていました。
しかし試合環境や機材・人材の確保等の問題でやむを得ずお断りすることもあり、撮影したくでもできない大会が年間で何十試合もありました。そのような悩みを抱えていた時にAIカメラに出会いました。」
脅威と捉えるか、新たな手段と捉えるか
AIカメラの存在は一見、テレビ局やカメラマンにとって脅威となる、あるいは相容れない存在だと捉えられかねませんが、北村さんは必ずしもそうではないと語られています。
「AIカメラについては提案を通して詳しく知りました。STADIUM TUBE DoublePlayのデモ映像を見てまず、センター側とバックスクリーン側の切り替えに驚きました。
私自身元々野球をやっていたので分かるのですが、センター側の映像はアマチュア野球ではなかなか撮影されることがありません。自身や家族のそんな映像が残せるのなら、視聴者に価値を感じてもらえると思いました。
カメラマンによるテレビ撮影のリッチさには及ばないものの、視聴者が満足できる映像品質は十分満たしていると感じました。これならコストを抑えながら今まで撮影を断念していた試合も映像化できると思い導入を決めました。
AIカメラは“人による撮影の代替”ではなく、“新たな映像の提供手段”なのだと捉えています。」
四国民間初の導入事例として住民からの認知も拡大
坂出市の協力を得ながら、四国民間企業では初の事例として番の州球場へAIカメラが導入されました。
「撮影した草野球の大会には坂出市の職員の方や地元企業チームにお勤めの方も参加されていて、ご自身がプレーする姿を見ていただいており、映像にもとても満足してくださっています。
映像はテレビのほか、自社アプリである『セレクトプラス』でも配信を行っています。
テレビ放送では映像サイズを工夫しながら、試合中継はもちろんニュースや番組内でも活用しています。
徐々にですがAIカメラの認知が広がってきており、最近ではAIカメラで自分たちの試合を撮影してほしいという依頼も増えてきて手応えを感じています。」
AIカメラでケーブルテレビ局の可能性を開拓する
ケーブルテレビ局、そしてコミュニティ放送としてのAIカメラとの付き合い方について、北村さんに伺いました。
「正直に言って、最初は自分たちがやっている・やろうとしていることをNTTSportictがAIカメラで始めたので、競合が出てきたと思いました。ですが今は自分たちのツールとして活用することで、強力な味方になると考えています。
ケーブルテレビ局のコミュニティ放送にとっての映像制作とマネタイズのバランス、つまり“誰かの心に刺さるコンテンツ”づくりはとても難易度が高いと日々考えています。
地元コンテンツ、つまり視聴者が身近に感じるネタを放送する際に、その対象者の枠を広げれば広げるほどターゲットは増えますが、心には刺さりにくくなってしまいます。
それにマスメディアと同じことをしては、コミュニティ放送の意義が無くなってしまいますからね。
一方で各視聴者の身近なネタに対応しようとすればするほど、従来の撮影方法では制作リソースが限られているのでコンテンツを沢山作れなくなってしまいます。しかしこの方法ではコンテンツ数を作らないと事業として成り立ちません。
AIカメラでこの制作コストの課題を克服することで、コンテンツの総量を増やすことができ、「誰か」の気持ちに刺さるチャンスを圧倒的に増やすことができると考えています。
それはコミュニティ放送の可能性を広げることだと思うのです。
ケーブルテレビ局での普及はこれからだと思いますが、こういうのは始めた者勝ちだと思うので、私たちが開拓者として積極的に広めていきたいですね。」
ケーブルテレビ局ならではの視点で取り組みを広げたい
最後にAIカメラ活用の今後の展望について伺いました。
「野球以外にもバレーボールなど他の競技の撮影も検討していきたいです。番の州球場は坂出市さんと取り組んでいるのでテレビ放送・アプリ配信が中心となっていますが、局の事業として行う際には映像販売や映像撮影の受託、更なる番組活用など、より様々な挑戦をしていきたいですね。
また以前STADIUM TUBE Touchのデモ映像も見たのですが、スローモーション機能には魅力を感じました。テレビ局にはスローモーション屋さんがいるくらいなので、こちらもぜひ実際に試してみたいです。今後どんどんSTADIUM TUBEの機能がアップデートしていくことにも期待したいですね。」